米国にてモデルYでスキー。
渡米して二年目あたりから、年末年始はタホ湖周辺までドライブして、しばらくこもりつつスキーをするのが恒例になっている。
こちらの冬は、日本にいた頃に比べて車での「準備の儀式」が少ない。
あの頃はスタッドレスに履き替えるにもタイヤの保管場所から考えねばならず、ルーフラックは雪山に行くたび着けたり外したりしていた。
今思うと、あれはあれで季節行事の一つだったのかもしれないがそれなりに面倒だったのは事実だ。
なのでこっちの手軽さには正直救われている。
なぜ準備が少ないのか?
こちらに来てスタッドレスの話をローカルの友人にしたら「なんで?」という顔をされた。
規制を調べても、スノーチェーン、もしくは四輪駆動であれば通行可、という表示が多い。
慣習が違うというより気候と道路事情が違うのだろう。
とはいえチェーンは必要なのでテスラ純正のものは値段に気圧されて断念。
フォーラムでおすすめされていた比較的お手頃なものを購入した。
昨年も一昨年もそれで問題なかったので今年もそれを使うつもりだ。
ルーフラックについても日本での習慣が頭に残っていたがモデルYの場合は車内にそのままスキー板やストックを積んだほうが圧倒的に楽だ。
後部座席の中央だけを倒せば板はすっと収まり、しかも意外と邪魔にならない。
滑り終わって雪を拭き取ってから積み込めば、車内が水浸しになるようなこともない。
最初は「ほんとにこれで大丈夫か?」と思ったが何度か繰り返すうち、むしろ合理的だと気づいた。
滞在はいつも一週間以上を確保する。
せっかく山の中に来るのだから、朝起きて空気の冷たさを感じて朝から夕方まで滑り倒す。
ナイターはやってないみたいだし、何より体力の限界なので夕方まで。
都市から離れると、時間の進み方が少し違う。せわしなさのようなものが薄くなり、代わりに、静かで濃い時間がやってくる。
今年もそろそろ準備を始める頃だ。
チェーンを点検し、宿の確認をし、ウェアを引っ張り出してみる。
いつもの静けさと雪の匂いを思い出しながら、気持ちだけ先に冬に向かっている。
楽しみだ。



